先日のラグビー日本vsスコットランド、芸術に関心のある方はぜひ見たほうがよかったです。スポーツでしょと思うかもしれませんし、スポーツなのですが、そこには極端な状態にある人間がいました。ラグビーやサッカーといったスポーツは、勝つ、勝つために点を取る、と目的が明確で、明確すぎる目的は個人の人間性を剥ぎ取っていきます。自意識を超えたメカニズムが発生するという点で、規則と状況による行動の極度な制限や目的に対する身体と脳の調律が与えるものは大きいです。個体の人間から現象への移行が見受けられます。重要なのは、その現象が見る者の感情を大きく揺さぶるということです。人間の領域外にある現象を目の当たりにした時、見る者の脳の情報処理が追いつかなくなるのでしょうか、混乱と同時に日常生活では感じることのない感情の渦に巻き込まれます。直線のように思い込んでいた時間の流れが消失し、「いま」という点が大きくブレながらどこかへ動くだけの状態。芸術そっくりですね。そもそもスポーツや芸術はどちらも人間の営みであり突き詰めれば物質世界と区別される物事である訳で、その領域に強い想いがある方にとっては、あの存在と対面できる貴重な機会になるでしょう。ところで、芸術における目的とは?