音楽は人に聴かれてしまう、繋がり合ってしまうという事実はとても重要です。願わくはそれを演奏自体で体現したい。アナログなエレクトロニクスは基本的には物単体では音が出ないので、物と物を接続することによって初めて音が出ます。これは実はとても尊いことではないでしょうか。セッティングがすでに音楽の姿を可視化しているというのは生楽器にはない要素であり、僕がエレクトロニクスのセッティングを組む理由です。もちろん、生楽器も演奏者と楽器の結びつきがありますし、結びつきも目に見えるものと見えないものが無数にあります。音楽は無数の結びつきのうえに成り立っているということにもう少し敏感になりたいです。